vapeリキッドの賞味期限と劣化について解説します。
「リキッドの賞味期限について」
電子タバコ業界は現在、黎明期であり、世界中で安全性への研究や議論が行われています。
リキッドは賞味期限はどのくらいですか?という質問を受ける事がありますのでこのあたりのご説明を致します。
ほとんどのリキッドメーカーさんは賞味期限の記載がありません、日本での現行法ではリキッドは雑貨の分類にありアロマ的なカテゴリになります、人の体内に入るモノなので食品として管理すべきだと思いますが、電子タバコは新しい産業の為、日本では法整備がまだ整っていないのが現状です。
では、法整備が進んだ場合、リキッドメーカーが内容量の記載を具体的に表記するようになるのか?という事ですがこちらにも疑問があります。
リキッドの内容物は「フレーバー(主に香料)+プロピレングリコール+グリセリン」
によって作られています。VGとPGは主成分の表記となります、ではフレーバー(主に香料)についてはどうでしょうか、
食品衛生法では品質管理と消費者に情報を提供するために賞味期限や添加されている物質などを、原則として表示しなければならないと定めています。
しかし、微量な成分を数十種類も調合してつくられているフレーバー(香料)は、配合した物質名をすべて表示するとかえってわかりにくいことから、一括して香料とだけ表示されます。
自分の鼻と目で確認し、色・匂い・香り・感触に異常がみられなければ、使えると考えていただいてよいかと思います。原始的ですが、このあたりはワインの賞味期限の考え方と似ています。

※ココカラで販売している香料はすべて食品添加物の基準を満たしたモノです、目安として開封後1年以内を推奨しております。
「フレーバーの保管方法について」
①直射日光・蛍光灯を避ける

夏場に体験する日焼け、窓際に置いていた本や家電製品の変色・・・太陽光にパワーがあることは日常的に体感することですが、実際に物質を変化させる力があります。太陽光は電磁波の一種でパワーがあるエネルギーです。
特に波長の短い紫外線(もっと波長が短くなるとそれらは放射線)が化学的な変化を与えることは人体の日焼けの例からも経験的に理解できます。紫外線は人の 皮膚だけでなく食品や香料にも変質や劣化をもたらします。紫外線はこのようにパワーがあるため逆に細菌などを殺菌浄化する装置に利用されることがありま す。
紫外線は蛍光灯の光にも含まれています。蛍光管の電極間の放電によって生成される紫外線は蛍光管の表面で塗布されている蛍光体で可視光線へと変換され光として蛍光灯から発せられます。
ほぼすべての紫外線は除去され人間には無害な光になりますが、100%完全に変換されているわけでなくごく微量の紫外線が漏れ出ています、これらの紫外線が食品や香料の劣化を引き起こす原因になる場合があります。
美術館など芸術作品に対する紫外線の影響が危惧される場所では完全なUVカットを施された蛍光灯やUVフィルターを蛍光灯周囲に別途取り付けているところがあります。
それは除去しきれなかった紫外線に対する対策です。店頭のショーケース内などきわめて近距離で蛍光灯の直射照射を受ける商品が比較的短期間で変色することはよくある事例ですが、それは蛍光灯に含まれる紫外線が影響を及ぼしています。
フレーバーも例外ではなく光(直射日光・蛍光灯)を避けることが重要です。

②温度管理

温度変化は物質を膨張させ収縮させる要因です。これが繰り返される環境では物質の内部が分子レベルで掻き混ぜられ化学反応を促進します。
物質の品質安定は一般に分子が運動しにくい低温状態であることがいいのですが、高温なら高温、低温なら低温と一定の温度であって温度変化・温度差がないことが重要ですリキッドも例外ではなく気温変化や温度変化を避けることが重要です。
冷蔵庫等で保管するという方もおられますが、食品等が入った冷蔵庫に電子タバコのリキッドを保管するのは少し抵抗があります、又、小さなお子様が誤飲する恐れがありますので極力控えましょう。
冷蔵庫の一般的な温度は0~10℃になります、0℃前後になるとリキッドに様々な変化が起こります、一般的にはフルーツ系のリキッドにおいて味が変化するという事です
低温になると加水分解を起こして酸化する為、リキッドの味が変化してしまいます。
また、低温になった場合には高濃度のメンソールリキッドは結晶化する恐れがあります5℃を下回ると結晶化が進む為、冷蔵庫の一般的な温度でも注意が必要となります。
保管場所として一番良いのは、10~20℃の間で冷暗所に保管する事です。温度変化の生じない野菜庫を活用するのもいいかもしれません。
③空気とリキッドの劣化

・リキッドをスティープ(寝かせる)させると良いという事とやや逆説的ではありますが、こと香料に限っては空気に触れる事はよくない事とされています。
空気の組成は窒素(78%)、酸素(21%)、アルゴン、二酸化炭素、ヘリウムなどで構成されています。
このうち酸素以外の窒素、アルゴン、ヘリウムなどは化学的な変性が起こりにくい安定した物質が多く「不活性ガス」と呼ばれています(窒素を「不活性ガス」とするのは反論も多いですが、一般的に不活性ガスと呼ぶことが多いようです)
一方、酸素は地球上のあらゆる物質を変質させる魔法の物質で最も危険な物質と見なされています。人間は酸素なしには生きていけませんが、それは酸素が体内に取り込まれた食物を効率的に分解しエネルギーを取り出せるためです、酸素は人にとって諸刃(もろは)の剣です。
近年では人の老化でさえ体内での酸素による酸化反応が大きな要因としてクローズアップされています。
「酸化」は物質劣化の大きな要因です、香料も例外ではなく酸素に触れることを避けることが重要です。
④細菌・カビとフレーバーの保管

細菌・雑菌・カビは腐敗が原因です。腐敗(もしくは発酵)とは腐敗細菌や真菌(カビ・キノコ)によって有機物(タンパク質を含む有機物)が分解される現象です。
腐敗は食品劣化の最大の原因ですが、こと電子タバコのフレーバーに関してはあまり心配いりません。
なぜなら、フレーバーは一般にエタノール・プロピレングリコールで溶かしたものですエタノールはアルコールの一種で殺菌作用があります、よく使用される植物性精油(エッセンシャル・オイル)は一般に強力な殺菌作用があります。そのため電子タバコのフレーバーに腐敗やカビは発生しにくいとされています。
しかし、一般に細菌・カビ・酵母類は物資を劣化させる作用が大きいため、なるべくフレーバーでも細菌・カビ・酵母類を避けることが重要です。